Arduino対 Arduinoの意味 と学歴詐称での幕引き

今年の7月くらいに、Arduino(読み方アルドゥイーノ。)のCEO交代劇&新体制の発足。(ちなみに Arduinoの意味 は、イタリアに実在した王様の名で、そこから現在もあるストリート名になった。)これで最終決着がついてたんだね。電子回路系の話題からすっかり離れていたので知らずにいたけれど、分裂したArduinoの一時期の和解融合は表面的なもので、やはり実態の亀裂は決定的だったんだろう・・・。

Arduinoの意味

2014年にイタリアでフェデリコ率いるArduino srl(Arduino.org)とアメリカでマッシモ率いるArduino LLC(Arduino.cc)に分裂して「こちらが正式Arduino」と、商標をめぐる抗争が表面化した2つのArduino。 それが去年、一つに統合されたようだったんだけれど・・・。結局、今回の新体制へとひっくり返されるまで1年も持たなかった。

長くは続かなかった「統合」

イタリアのニュースで un matrimonio durato poco (スピード離婚)と形容されていた。Federico MustoとMassimo Banziそれぞれ率いていた2つのArduinoは2016年の10月に統合することで合意した。これにて2つに分裂して存在したArduino LLCとArduino srlはArduino Holdings として統合された。

はずだったのに・・・。

2017年7月、BCMIがArduino買収。BCMIはMassimo Banzi、David Cuartielles、David Mellis、 Tom Igoeの創設による会社で。Arduino AGを100%買収。 MassimoはCTO、Arduinoのトップに。CEOはFabio Violante  (ファビオ・ヴィオランテ)。で、買収前にCEOだったFederico Mustoは退任。

ArduinoCEO交代劇と学歴詐称

学歴詐称がArduinoのCEO失脚と直接関係があるとは考え難いが、Federicoが退任したのは学歴詐称問題が出てすぐだ。

AdafruitのLimor (ピンクの髪の人)はMIT卒。Federicoの名刺にMITでPhDと書かれていたので、誰がアドバイザーだったかとか、研究室について尋ねたらしい。Federicoは答えられなくて・・・というところから詐称疑惑がスタートしたと言われている。

メイカーコミュニティの中でも、この学歴詐称は注目の問題になった。と、どこかで読んだ。

学歴詐称ってすぐバレるからホントやめた方がいいよ。

学歴詐称はCEO交代の原因ではないだろうけど。計画自体は進んでいて、詐称は単純に丁度いい理由付けにはなったというくらいかと。だって、日本国の首相である安倍麻呂は学歴詐称してもお咎めなしだしね。一国の首相は学歴詐称という恥と裏切りを晒して退任にならず、基板メイカー社長が詐称で退任。

本当は長く続いていたArduinoの内部抗争

そもそも、なんでこんな複雑で、修復しがたい内部分裂がヒートアップしたんだろうか。Arduinoの内部分裂の理由を知るには、Arduinoの成り立ちそのものを理解する必要がある。

ArduinoはIvreaのデザインスクールで生まれた。創設者はMassimo Banzi、 David Cuartielles、David Mellis とTom Igoe。今のBCMIのメンツだ。一方、基板を生産するにマッシモ・バンジが選んだのがStranbinoにあるSmartProject。この基板生産の経営者がGianluca Martino。Gianlucaは基板生産の請負だけでなく、後にArduinoの共同創設者の権利を得る。Arduino創設者はこの時点で5人となる。

5人でアメリカで2008年にArduinoLLCとなる会社のパートナーシップを20%ずつもつことになっていたが、イタリアのほうでGianlucaのSmartProjectがArduinoの商標登録をアメリカより先に行っていた(イタリアのSmartProjectが後にArduino srlとなる)。商標登録の背景にはArduinoをコピー品生産から守る意図があったようだが、完全にLLC側には反駁として映ったようで・・・。

2014年には法的な争いにまで発展していた。2015年には2社分裂模様は明らかで2つのサイト、2つのArduino公式アカウントが存在し、ユーザーを困惑させた。Federico はGianlucaのパートナーとして、この時期からArduinoSrlのCEOだった。

最初からファウンダーではなかったFedericoとGianlucaが排除されて終結というのは、妥当なエンディングなんだろうな・・・。

ただこの抗争中にArduinoのロジスティックスが改善された(ビジネスがスムーズになった)事実はあると思うので、Arduinoの成長には貢献した部分もあるのでは?と考えると、結局はArduino買収で事態を収拾した4人のBCMI創設者たちが、一番得をする展開になったのかもしれない。

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この記事を書いた人

Macaron

イタリア語・英語の通訳、翻訳などをしているトライリンガル。しかし仕事をしてるより放浪してる方が多い。