有名美容室と安い 個人美容室: 値段の差はカットに現れるのか?

その昔、カリスマ美容師という言葉が流行った。人々は上手いカットを求め、予約の取れない有名&高い美容室の人気美容師を指名した。しかし、そんな時代も過ぎ去り、ふと疑問。そういう有名な高い美容室に行かないと、思い通りの髪型にはならないのか? 有名美容室と安い 個人の美容室で比較すると、その大きな値段の差はカットに現れるのか?

有名美容室と安い

多くの人はそう信じている。私もそんな気がする。有名美容室の人気スタイリストに切ってもらわないと、髪型はオシャレにならない。決まらない。いい感じにならない。

本当にそうなのかどうか? 事実を突き詰めるべく、有名な美容室と近所の安い個人美容室のカットを比較してみた。

比較には公正を期すべく、同じ写真をもって「有名店の人気スタイリスト近所の名もなき個人美容室、両方に行って髪を切ってみて、その仕上がりを比べてみた。

有名美容室と安い 個人店のカット 比較ポイント

大前提:単純な値段の差

有名店も個人の床屋のようなお店も同じ値段だったら、有名店のスタイリストに切ってもらう方がいい。有名店の方がちょっと高いくらいでも、有名店の方が「安心」を買うことができるかもしれない。

でも、リーズナブルと思える値段の差ってどのくらいまでなの?値段はどれくらいの差があるの?何にどれくらいの価値があるから値段差が生まれるの?というのが比較ポイントになる。

カットの「持ち」

値段の差はカットの持ちにも反映されているのか?

高い店のほうが、その分長くヘアスタイルがキープできるものなのか?有名店で高いカット代を払うと、伸びてきてもサマになるのか?

それとも、どちらも同じ速度・頻度で崩れ、新たなカットが必要となるのか。

その場の「仕上がり」の差

仕上がり=ヘアサロンでカットして、お店を出る瞬間の状態。お店のスタイリストにセットされた状態。

これが「こういう風にしてください」ともっていった写真とどれくらい近いか。

また、自分の要望とどれだけ近い髪がたになったかに加えて、場合によってはセットも仕上がりの重要なポイントかもしれない。人によっては、その日に特別な用事―パーティやテレビ出演、撮影など―があるから美容室に行くのかもしれない。

そういった場合は、美容院に行ったその日の仕上がりが重大な評価ポイントになる。

カットの「再現性」

毎日毎日ヘアサロンに行ってブロードライとセットをしてもらえるわけではない。

朝は大体みんな忙しく、時間との闘い。毎朝、起きて1時間以内には電車に乗っているなんていう状況の日が一週間のうちに多いなら、髪には手をかけずに時間をかけずに、出かけられる髪型になることが大事。美容室でカット&セットした時の状態の再現性が評価ポイント。

仕上がり=もっていった写真とどれくらい近い出来上がりか、そして翌日以降の自分でセットするときにその髪型の再現性がそれだけ高いか、が比較評価ポイントになるかと。

「サービス」充実度など その他の要素

お茶を出すタイミングはどうか?客が何か言いたそうにしているときスタッフは気づけるか?などスタッフがいかに客のニーズを見ているかというサービス業なら必ず問われる点。

そのほかにも、設備の良し悪し、シャンプーの良し悪し、カット以外の部分で「美容院に行く体験そのもの」に付加価値を与えるサービスがあるかどうかも、店によって差があるかもしれない。

高い美容室と普通の 個人店 比較ポイント:カット料金の差

今回の比較で有名&高級店カテゴリーに選んだ美容室はビュートリアム。カット料金8640円。

対する個人美容室に選んだのは神奈川県の最寄り駅平塚にある美容室ENDOR。カット料金は3240円。

その差は5000円以上、2倍以上。

比較するにあたり、コスパ的には=倍以上の期間形状保持できるかどうかが評価基準になる。

ちなみに、厚生労働省によると美容室のカット料金の平均価格設定は3387円。今回比較で利用する「安い美容室」とほぼ同じ。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei22/14-02.html

・・・ということで、私の比較は、実際には「普通の美容院」と「高い美容院」の比較となるわけだ。多少、首都圏のカット代平均のほうが全国区で見るより高めなのかなと。

大体そこそこ名の知れた美容室のカット料金をざっと見てみると、カットは7560円~くらいだ。少なくとも「普通の」美容室と「有名な」美容室では4000円の差があることになる。

2倍以上のカット料金の差と「持ち」:高いと髪型は長持ちするのか?

コスパ=値段が倍以上違うと形状保持期間も倍違うのか?という問いについて、事実は明らか。

形状はどっちみちそんなに長期間保持できない。

髪の毛なんて、月に数センチは伸びる。空いた髪も伸びて、普通にボリュームアップする。そのスピードは、安いところで切ろうが高いところで切ろうが、自分の毛質が同じならば伸びる=崩れる速度も変わりはない。

つまり高い店で切っても、安い店で切っても、同じ頻度で美容室にカットに行かなくてはならないんだ。

少なくともショートカットの人はね・・・。

一般的に、一回髪を切ったら2カ月くらいでまたカットが必要になる。ロングやセミロングで髪が少なければ半年くらい放置してもよいかもしれない。ショートカットなら、形状維持ができるのはカットして1カ月ちょいくらいのものである。

ということは、年に5,6回ほどカットのため美容院に足を運ぶことになる。一回に5000円の差は、年で25000円の差。髪が無くならない限り、美容室にカットに行く必要は生涯をかけて起こってくる。成人してから髪型に気を使いだすと遅めに想定しても、40年間くらい・・・25000円x40=実に100万円以上の差額がある。

一回一回のカット料金の差って意外と大きい。いくら良いカットでも1カ月たったら崩れるんだから・・・そのために大枚はたけるのは結構ブルジョアだ。

もちろん、一回一回の出来に大差があるのなら、100万くらいのお金は大したことじゃない。似合っていない髪型は鏡を見る度に憂鬱になるし。ただし、その出来に本人から見ても傍から見て差がなければ、もう価格差は無印良品を買うのか、ユニクロを買うのかみたいな差になってくる。要るにブランド力に対する、自分の価値観・・・ということになる。

どれだけ思い通りの髪型になるのか:有名店と個人店「仕上がり」の差

さて、カットがうまいと評判の有名人も多数通うようなスタッフ多数のお店と、普通の美容師が普通に構えた小さな個人店では仕上がりに違いがあるのか?

実際に、同じ画像をもって両店で同じように注文をしてカットしてもらってみた。

オーダーした髪型

その時見せた絵がこちら。

hairstyle order

 

 

・前髪のスタートがちょっと上のほうで前髪多め。

・襟足は長めでボリューム抑え目。

・サイドと後ろは丸みを持たせて、マッシュぽい丸さはありつつ、マッシュみたいな前から後ろまで一直線でつなぐそろえたラインにはしない。

で、仕上がりがこちら。

高級美容室 ビュートリアムのカット&セット完成図

普通の個人美容室 カット&セット完成図

セットは圧倒的にビュートリアムのほうがうまいというか、今風。トップは持ち上げて柔らかく立体感を際立たせ、ワックスで動きつけてシルエットに空気間。

普通の美容室はオーソドックスにブラシを使って伸ばし巻きながら乾かして、丸く整えている。

ただ、出来上がりの形や長さに関しては、どちらともかなりオーダー時の画像に忠実なのは変わりないかと。個人的には値段の差が倍以上あって、どちらもある程度忠実に要望が再現されている限り、安い方に行くな…

切り方に関してはかなり違うので、梳いている量や梳き方が梳き方が再現性にどう影響してくるのか・・・が注目どころだ。

カット翌日以降 髪型の「再現性」

美容室に行った後に髪型がキレイになっているのは当然。だけど、翌日以降に寝起きで適当に手やブラシで整えて、その髪型になるの??? この髪型にしてくださいって言った髪型を再現できるのか?

高い美容院でも、安い美容院でも、自分のオーダーした髪型をうまく再現するスタイリングのコツなどは大体教えてもらえる。自分のライフスタイルを説明して、朝はササッと済ませるタイプなのか、きっちりスタイリングするタイプなのかなどによって、適切なアドバイスと、それに合わせたカットをしてもらえる。

ということで、有名高級店と無名個人店のカット翌日以降の髪型を比べて見よう。

有名高級店のカット翌日以降

無名個人店のカット翌日以降

どちらも、あまり変わらない。

有名店の再現性の特徴

しいて言えば、有名店ビュートリアムの方が動的で、分け目をどこで変えようが同じようなバランスになる感じがあるかも。スライドカットと、かなりの量の髪を彫刻のように細かくすいているのが効いている可能性。

動きのある分、その日の湿度や寝癖によって髪型の収まりというか、雰囲気が結構変わる。

普通の個人店の再現性の特徴

普通の個人店はすきバサミで梳くのがメイン。こちらは、寝癖がついても結構すぐに直せて、決まったスタイルになる。毎日ほぼぶれない。ある意味、らく。

毎日分け目をかえたり、セットをかえて凝って様になる感じにしたい人には向かないと思う。美容院に行った日のように毎日のスタイリングで収まってほしいという人には向いている。

 

だからこそ、有名店は髪型を番組によって変える芸能人や広告ビジネス向けなのかもしれない。対して、個人店は普段の生活密着型に向いているのかもしれない。

その他の要素

サービスへのスタッフの姿勢

高いお店は、それなりにエレガントなサービスを提供してくれるかもしれない。例えば・・・内装が凝っているだとか、出てくるお茶がおいしいだとか、クッションやいすの座り心地が良いだとか・・・。使っているシャンプーや薬剤が高品質ということはまずないと思うが。

たまたまかもしれないが、ビュートリアムはあまりサービスが良くない。基本的に、切らないスタッフは切っているスタッフを眺めている静止時間が長く、その目はお客へのサービスへは向いていない。

もしかしたら、他店ではカスタマーファーストなサービスが展開されている可能性も無くはないが、「何もしなくても客は来る」から有名店は何もしない傾向が強くなるのではないかと思う。

一方、個人店はマイペースでやる分、組織的なデータ分析によるサービス向上やブランド力向上が難しい。こだわりをもって行っているサービスが不必要であったり、客足増加に寄与していないものであっても、無視して保持したりしていることもある。

サロンへ出向く手間暇&交通費

高級&有名店はどこにでもあるチェーンじゃないから価値があるのだ。そう、つまり、近所ではなく、結構わざわざ出向かなきゃいけない距離感にあることが多い。

結局、高い美容院を選ぶか、近所の手ごろなところを選ぶのかは、わざわざ行っていることにブランドやエンタメ価値を見出すか、それともカットを生活費の一部と考えるかのカテゴライズの違いが原動力になっているのだと思う。

そこには経済観念が大きく関係してくる。何にいくらまで使えるのか?稼ぎによって、10万円未満など出費と思わない人もいるし、5000円でも高いと思う人もいる。

高級美容室のメッカといえば表参道。その近所地域にお住まいの方といえば、きっとゴミ箱に8600円捨てちゃっても気づかないくらいのレベルの稼ぎの方だろうから、そもそも高いに越したことはないのかもしれない。

結論

今回比較して確かにわかったのは、高い店でも安い店でもオーダーの黄金ルールさえ守れば希望の髪型にはできるし、いくら高い店でもそのルールを無視してオーダーしたら上手くいかないのは変わらないという事実。それは、「目で客観的にみて分かるサンプルをもって髪型をオーダーすること」

言葉で伝えるだけではお互いの脳内で展開される完成予想図が大体ズレていることだろうから。

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この記事を書いた人

Macaron

イタリア語・英語の通訳、翻訳などをしているトライリンガル。しかし仕事をしてるより放浪してる方が多い。